会社の求人募集、特にベンチャー企業などでは『主体性がある人』『主体性が高い人』であることを条件としていることがあります。『主体性が高い人』ってどんな人やねん!そもそも『主体性』って何やねん!と言いたくなる。そこで『主体性』とはなにか、『主体性のある人』はどんな人を考えていく。
そもそも『主体性』とは何だろうか
『主体性』を分解すると
『主体』と『性』の二つに分かれる。この二つをそれぞれ理解することで主体性を理解しよう
しゅ‐たい【主体】
1 自覚や意志に基づいて行動したり作用を他に及ぼしたりするもの。「動作の 主体 」⇔客体。
2 物事を構成するうえで中心となっているもの。
3 哲学で、他に作用などを及ぼす当のもの。認識論では主観と同義。個人的、実践的、歴史的、社会的、身体的な自我の働きが強調される場合、この主体という言葉が用いられる。→主観引用:主体,コトバンク,https://kotobank.jp/word/%E4%B8%BB%E4%BD%93-77785
普通の日本人が頭の中でやんわりと理解している『主体性』の『主体』の部分の意味として当てはまりそうなものはどれかと考えると1,2,3どれも当てはまりそうであると思う。1と3は違いがわからないので同じものとカウントするとして1と2が『主体性』の『主体』の部分の意味部分であると考えれる。
せい【性】
[名]
1 人が本来そなえている性質。うまれつき。たち。
2 同種の生物の、生殖に関して分化した特徴。雄性と雌性。雄 と雌 、男と女の区別。また、その区別があることによって引き起こされる本能の働き。
3 《gender》インド‐ヨーロッパ語・セム語などにみられる、名詞・代名詞・形容詞・冠詞などの語形変化によって表される文法範疇 の一。男性・女性・中性などの区別がある。日本語には、文法範疇としての性の区別はない。英語でも代名詞にみられるだけで、それ以外の品詞では消滅している。
[接尾]名詞の下に付いて、物事の性質・傾向を表す。「安全
性 」「アルカリ性 」「向日性 」「人間性 」引用:性,コトバンク,https://kotobank.jp/word/%E6%80%A7-22268
『主体性』の『性』の部分の意味はまぁ分かるだろうが、一応考えておくと、下のように接尾語として『主体』と言う名詞にくっ付いて、物事の性質・傾向を表しているのだろう
しゅたい‐せい【主体性】
自分の意志・判断で行動しようとする態度。 引用:主体性,コトバンク,https://kotobank.jp/word/%E4%B8%BB%E4%BD%93%E6%80%A7-77796
さて、『主体性』を考えるに『主体』と『性』に分けて意味を考えたわけだが、それを組み合わせたものと『主体性』の意味を列挙すると
- 自覚や意志に基づいて行動したり作用を他に及ぼしたりする性質
- 物事を構成するうえで中心となっている傾向があるもの
- 自分の意志・判断で行動しようとする態度
『主体性』という言葉がこの三つの意味を持っていると考えられる。1と3を見てみると、1は『行動すること』『他に影響を及ぼすこと』が構成要素であり、3は『行動しようと思うこと』が構成要素である。これを鑑みて1,2,3の意味を並び替えて繋げてみると
行動しようと思う(3)
↓
行動する(1)
↓
他に影響を及ぼす(1)
↓
物事の中心となる(2)
必要要件としては自分の意思でいづれかの段階を引き起こすことであるが、この四つのどの段階でも『主体性』ではある。つまりこれら一つ一つが主体性であり、これら全体もまた主体性である。
求人に書かれている『主体性がある人』とは
主体性とは、自分の意志や判断に基づき、責任を持った行動をすることです
引用:仕事における主体性とは?重要視される理由や高める方法を解説,ミイダス,https://corp.miidas.jp/assessment/10139/
有名な就活サイト(ミイダス)によると、自己判断で自分の責任で行動することという風に書かれている。上で明らかにした主体性の意味に追加して新しく『責任を持つ』という概念が追加されている。何故だろうか。
行動しようと思う
↓
行動する
↓
他に影響を及ぼす
↓
物事の中心となる
と言うのを思い返してみると、『他に影響を及ぼす』と言う点で、悪い影響を及ぼすのか、良い影響を及ぼすのか、その点において責任や責任感が発生してくると思われる。会社、つまりは雇う側からすると悪い影響を及ぼして欲しくないので『責任を持て』と言っているのである。しかしながら人はできる限り責任を持ちたくないものである。そう考えるとそもそも『他に影響を及ぼす』ことがないように『行動する』ことがなくなり『行動しようと思う』ことがなくなるのである。責任を持てと言いながら主体性を持てと言うのは共存することはできるが稀であり、およその場合相反するものであることがわかる。そこで良い企業やチームというのはリーダーが責任を負ってみんなを引っ張って相反するものを取り除くのである
これをみるに『行動する』『他に影響を及ぼす』には触れられているが、『行動しようと思う』『物事の中心となる』には触れることができていないように見受けられる。
主体性の正体は、「相手より早く、考えて動き、先手をとること」
引用:主体的に仕事をする、とはどういうことか,もちづきこうき,https://note.com/kokimo1021/n/ne79e1094e0fe
組織人事コンサルタントの、もちづきこう氏による主体性の正体の分析である。
行動しようと思う
↓
行動する
↓
他に影響を及ぼす
↓
物事の中心となる
と言うのをまた思い返してみる。
「相手より早く、考えて動き、先手をとること」は『他に影響を及ぼす』『物事の中心となる』ことに必要な要素であると考えられる。しかしながら『行動しようと思う』『行動する』には触れることができていないように見受けられる。
『主体性がある人』と言うのは、就活サイトや組織人事コンサルタントでさえこの解像度なのだ。況んやただの社会人、素人の就活生をや。わしは言葉は上手くないので的確に主体性とはなんたるかを伝えることはできない。しかしながら言えることは求人に書かれている『主体性がある人』は行動しようと思い行動し、その行動によって周囲に影響を及ぼし、物事の中心になれたのかどうかをみていると言って良いだろう。面接で主体性をアピールするときは矢印の先にいけてるかどうかをアピールする必要があるし、また、行動の結果失敗したとしてその後どう思いどんな行動をしたかをアピールする必要がある。面接官側としてはどのステップをどのようにクリアしたかをみる必要がある
主体性がない人とは
行動しようと思う
↓
行動する
↓
他に影響を及ぼす
↓
物事の中心となる
上の関係において矢印の先にいけてるかどうかが主体性であると上で論じたが、一般的にひきこもり等は行動しようとしないので『主体性がない』と断じられるところであろう。しかしながら本当にそうであろうか。
3種類の坂、3種類の車を想像してみる
- 道路の坂:普通の車
- 山道(凹凸)の坂:サスペンションの強い車
- 砂丘の坂:空気圧の低い車
それぞれその道に最も適した車であるが他の道だとそうもいかない。普通の車が山道を走れば衝撃に揺られ、砂丘を走ればタイヤが砂に埋まる。サスペンションが強い車はsuvだったりして比較的オールマイティーに走れるが道路に応じて準備やメンテナンスが必要だし貴重で数が少なく値段が高い。空気圧の低い車が山道を走ればタイヤが裂け、道路を走れば燃費が悪くなる。
このように坂が違うと必要な車も違う。自分に合わない登れない坂に出会ったときに、そのまま登りたいと思い、登るのが主体性なのだろうか。『登りたいと思う』は残っているかもしれないが登ることを一度諦めて車に合った坂を選択したり、坂にあった車を選択する。こっちの方が主体的と言っていいのではないか。
行動しようと思う
↓
行動する
↓
失敗
↓
目標・方法を変える
こう言った過程、つまり『目標・方法を変える』ことをしているので主体性があると言えるのではないか。目標・方法を変えた結果ひきこもりに行き着いたのであれば、主体性があり、その結果としての産物としてひきこもりがあると言えるのではないだろうか。つまり、ひきこもりは主体性があるのではないだろうか。
そう考えていくと、『主体性がない人』と言われている人間は主体性がないわけではなく、見えないところ、見たくないところにあるのかもしれない


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